「最近どうもバタフライの泳ぎが重く見えるんです。何でなんでしょう?」
選手をしている小学生の女の子のお母さんは、唐突にそう切り出しました。話を聞くところによると、なんでも練習中や大会での泳ぎを見ると、一定のタイミングでやたらと泳ぎが重そうに見える、そしてそれは呼吸に関係しているんじゃないか、とのこと。
とりあえず泳ぐ前のカウンセリングとして本人にも確認をしてみたが、泳いでいて重い感じは特にはないようだ。こうなったらもう実際に泳ぎを見て判断をしてみるしかない。軽めのウォーミングアップをすませて早速バタフライを泳いでもらうことに。
・・・なるほどね。泳ぎが重く見える原因は大きく2つ。
・バタフライの呼吸動作が入る前にけのびのような姿勢で硬直している瞬間がある。
・水をかいて体を持ち上げる前に顔だけ前に向けてしまっている。
さらに言えば、肩が硬いことも影響してけのびの姿勢で若干水中に潜りこみ、その後顔を上げることでブレーキがかかってスピードも落ち、それから体を上げるから実際に多くの水を背中に背負った状態になってしまっている。
“重そうに見える”の答えは“実際に重い”ということで間違いなさそうだ。本人にある程度泳力があることもあり、ちょっとした癖が絶妙に絡み合って大きな抵抗を生んでいたため、見ていてなんだか違和感はあるけれどもその原因が何だかわからないというモヤモヤだけが感じられるという状態になってしまっていた。
原因がわかればあとはその欠点を取り除く練習をすればいいだけ!ひとつずつ少しずつポイントを伝えながら試行錯誤すること30分・・・重そうだった泳ぎはなくなり、呼吸をしない時とした時でのテンポのずれもほとんど気にならないくらいの軽快な泳ぎに生まれ変わることに成功!
客席でレッスンを見守っていたお母さんも明らかに今までとは違う軽快な泳ぎを実感し
「こんなに変わるもんなんですね!」
と、驚かれていました。ただまだ油断すると泳ぎが崩れてくるので完全に自分のモノにするまでは注意が必要だな。
そしてその後は、足に頼りがちになっているドルフィンキックや飛び込みからの浮き上がり等、気になっていた部分の改善も行い、今日のレッスンは終了。
JOまであと少しとのことなので、JO突破の報告をもらえるのを楽しみにしてます♪