シリーズ
昨日から始まりました目的に合わせた運動強度で泳ごう!の持久力編。今日は第二弾「スレッショルド持久力トレーニング」についてです。
スレッショルド持久力って何?
基礎持久力なら意味は分かるけど、“スレッショルド”持久力ってなに?と、思われた方も多いでしょう。わかります。僕も選手の頃は言葉の意味も分からず練習メニューからなんとなく雰囲気だけ理解してったて感じですから笑
スレッショルド(Threshold)を英和辞書で引くと、
①敷居、入り口
②初め、発端
③閾(いき)
引用:【weblio】
といった感じで意味が出てきます。水泳で言うスレッショルドとは③の閾値のことを指しています。
・閾値(いきち)とは
またまた難しい言葉が出てきてしまいました。今度は閾値を国語辞典で引いてみると、
①ある反応を起こさせる、最低の刺激量。しきいち。
②生体の感覚に興奮を生じさせるために必要な刺激の最小値。しきいち。
引用:【コトバンク】
と出てきます。持久力トレーニングにおいて起こる“ある反応”とは、乳酸が溜まり始める最小値ということです。つまり、簡単に言ってしまえば
「これ以上続けると乳酸溜まっちゃうよ。それでも続ける?」
というギリギリの運動強度ってことですね。だからもちろん基礎持久力よりも負荷は上がり、運動強度は65%~75%※を目安に行なうと良いですね。
※運動強度がわからない人は基礎知識編①②を見てね!
泳ぐペース的には
「このペースなら同じスピードをキープできるけど、これ以上ペース上げたらキープできないよ・・・」
というこれまたギリギリの感じです。この練習は、きちんと基礎持久力をつけた上で練習に取り組まないと、このトレーニングの効果を期待することはできないので、時間をかけてしっかりと基礎持久力を養ってから無理のない範囲で少しずつ取り入れていくといいでしょう。
スレッショルド持久力の効果
スレッショルド持久力トレーニングでは、以下のような効果が期待できます。
・酸素を取り込む能力が向上して全身持久力が上がる
・乳酸を分解・除去する能力が向上し、疲労によって筋肉の動きが鈍くなるのを防ぐ
・毛細血管が増えて血液量もアップ!
これらの効果の1つ目に書かれている全身持久力ですが、これが向上すると健康にもいいって知ってました?全身持久力が低いと心臓・血管などの疾患や糖尿病のような生活習慣病のリスクも高まるだけでなく、死亡リスクも3~4倍にもなるらしいですよ。
水泳だけではなく健康にもいいってわけですから、少なくともスレッショルド持久力トレーニングくらいまではできるような全身持久力は身につけたいですね!
スレッショルド持久力の長さと休憩時間
スレッショルド持久力は、休憩時間は基礎持久力と同じく短いままで長く泳ぎ続ける方が効果が高いと言われていて、時間にして6分から45分くらいのメニューがいいとされています。選手であれば30分以上の長時間において同じペースで泳ぎ続けることも可能だと思います。
しかし、一般の方やマスターズスイマーではさすがに難しいという方も多いことでしょう。ですから、自分の泳力に合わせた距離でトータル10分から15分間を泳ぐくらいを目標にするのがいいと思います。
スレッショルド持久力のメニューの考え方
擦れ諸ルド持久力のメニューの考え方の目安は“同じスピードで泳ぎ続けられる限界ギリギリのペース”です。本数を重ねるごとにタイムが落ちていくようではオーバーペースなので、もう少しペースを落とした方が良いということになります。
休憩時間は基礎持久力の時よりも短めに考えた方がいいようです。そして距離が伸びても休憩時間は30秒を超えないくらいの方が良いということです。
・25m・・・5秒
・50m・・・10秒
・100、200m・・・15秒
・400m・・・20秒
・800m・・・30秒
選手であれば200mを繰り返し泳ぐメニューを考えるのがベストですが、それ以外の人は50mから100mの距離でメニューを考える方がいいと思います。
また、ヘタに細かく本数を区切るよりも、休憩を入れずに長距離を泳ぎ続けてしまった方がラクに泳げるかもしれません。ただし、強度の低い楽なスピードで泳ぎ続けても基礎持久力のトレーニングにしかならないので、ある程度のペースをキープし続けられる泳力が必要となります。
と、ここまで読んでいただけたのであればわかると思いますが、基礎持久力メニューと違い、スレッショルド持久力のレベルになると、ある程度の泳力がないと練習に取り入れることも難しいかと思います。
しかも、この上にはオーバーロードトレーニングという、さらに強度の高いトレーニングカテゴリーも存在します。
選手ではない一般のスイマーやマスターズスイマーであれば、ここまでの強度のメニューをやるよりも、基礎持久力でしっかりとベースを作り、スプリントトレーニングやパワートレーニングでスピードを上げることでタイムアップを目指すというのもアリだと思いますよ!
そういったメニューを自分で考えることは難しいけど、目的に合ったメニューを作って指導してもらいたいという方のレッスン申し込みも大歓迎(※クリックで予約ページに飛びます)です!
あ、ちなみにスプリントトレーニングやパワートレーニングについても今後紹介していく予定ですのでお楽しみに☆